この記事で分かること
- AIでデザイナー・コーダーの仕事は本当になくなるのか
- 今起きている変化の本質とは
- 危ないケースと大丈夫なケース
- これからどう動けばいいか
「自分の仕事、なくなるの?」
「AIがコードを書いてくれる」「AIがデザインを作ってくれる」——そんなニュースを見るたびに、不安になることはありませんか?
特にWebデザイナーやコーダーの方は、こんな気持ちを抱えているかもしれません:
- 「自分がやっている作業、AIに置き換えられる?」
- 「このまま同じスキルで食っていける?」
- 「何を勉強すればいい?」
- 「転職した方がいい?」
当社はSESやWeb制作、WordPress保守などを手がけるIT企業です。日々の実務でAIツールを活用している中で、見えてきたことがあります。
目次
AIで何が変わっているのか
AIができるようになったこと
まず、現実を整理しましょう。
AIができるようになったこと:
- テキストからUIデザインを生成する(Google Stitch等)
- デザインデータからコードを生成する(Figma MCP等)
- 対話しながらコードを書く(ChatGPT、Claude、Cursor等)
- 定型的なレイアウト・スタイルを瞬時に作る
- テキストから画像・イラストを生成する(Midjourney、DALL-E、NanoBanana等)
AIがまだできないこと:
- 「何を作るか」を決める
- ビジネスの文脈を理解する
- ユーザーの本当の課題を掴む
- 「これでいい」と判断する
- クライアントと対話して要件を引き出す
つまり、「作業」はAIができるけど、「判断」は人間がやる——という構造です。
分業の「オーバーヘッド」がなくなる
1980年代後半から90年代にかけて、デザインの現場で革命が起きました。DTP革命です。
それまでのデザイン制作は、こんな流れでした:
デザイナー(レイアウト指示)→ 写植屋(文字を組む)→ 版下屋(台紙に貼り込む)→ 印刷所
それぞれの工程に専門家がいて、指示を出し、確認し、修正を依頼する。この人と人の間のやりとりを「オーバーヘッド」と呼びます。
MacintoshとDTPソフトが登場すると、デザイナーは一人で全部できるようになりました。オーバーヘッドが消えたのです。
今、同じことがWeb制作やプロダクト開発で起きています。
PM/ディレクター → デザイナー → 開発者
この分業体制で発生する「確認→修正→また確認」のオーバーヘッドが、AIツールによって溶け始めています。一人で企画から実装まで、プロダクト全体をスピーディーに形にする。こうして一気通貫でモノづくりをする働き方を、「プロダクトビルダー」といった言葉で呼ばれることもあります。
危ないケース・大丈夫なケース
では、この変化の中で「危ない人」と「大丈夫な人」の違いは何でしょうか?
危ないケース
「作業者」のままでいることが危険です。
- 「言われたデザインを作る」だけの人
- 「言われた通りにコーディングする」だけの人
- 同じ作業を同じやり方でやり続ける人
- AIツールを触ってみない人
- 「自分には関係ない」と思っている人
DTP革命のとき、写植屋や版下屋という専門職は消えていきました。「作業」だけを担当していた人たちです。
AIが作業を代替できるようになった今、同じことが起きる可能性があります。
大丈夫なケース
「判断できる人」になることが鍵です。
- 「何を作るか」を決められる人
- 「これでいい」と判断できる人
- クライアントと対話して要件を引き出せる人
- AIを使って、今までの何倍も速くアウトプットを出せる人
最近では、デザインとエンジニアリングの境界を自由にまたぐ「デザインエンジニア」という職種も注目されています。AIによって「実装の難易度」が下がることで、デザイナーが実装まで、あるいはエンジニアがデザインまで踏み込むことが容易になりました。
AIを道具として使いこなし、領域を横断できる人は、むしろこれからの時代に最も求められる存在です。
「AIに仕事を奪われる」のではなく、「AIを使える人が、使えない人の仕事を奪う」——というのが正確な表現かもしれません。
これからどう動けばいいか
まずはAIツールを触ってみる
百聞は一見にしかず。まずは実際に触ってみることをおすすめします。
対話型AIアシスタント(まずはここから)
- ChatGPT(OpenAI):最も有名。コードも文章も相談できる
- Claude(Anthropic):長文や複雑なタスクに強い
- Gemini(Google):Google連携が便利
コーディング特化
- GitHub Copilot:エディタ内でコード補完
- Cursor:エディタ全体がAI対応
- Antigravity:ブラウザ操作やファイル編集まで自動化
デザイン・画像生成
- Midjourney:高品質な画像生成
- DALL-E(OpenAI):ChatGPTと連携
- NanoBanana(Google):Geminiと連携
- Google Stitch:テキストからUIとコードを生成
「こんなことができるんだ」という感覚を得ることが第一歩です。
「判断」の経験を積む
言われたことをやるだけでなく、自分で判断する経験を積んでください。
- なぜこのレイアウトなのか、理由を説明できるようにする
- クライアントに「こっちの方がいいと思います」と提案してみる
- 自分でサイトやサービスを作ってみる
判断力は、判断することでしか身につきません。
一人で「企画→実装→検証」を回してみる
一人で全部やってみる経験は非常に学びになります。
企画も、デザインも、実装も、検証も。全部一人でやると、「どこに価値があるか」が肌で分かります。これこそが、先述した「デザインエンジニア」や「プロダクトビルダー」への近道です。
まとめ
「作業」はAIがやるようになります。でも、「判断」は人間の仕事です。
危ないのは、「作業者」のままでいること。
大丈夫なのは、「判断できる人」になること。
- まずはAIツールを触ってみる
- 「言われたことをやる」から「自分で判断する」へシフトする
- 企画から実装まで、一人で回す経験を積んでみる
変化は確実に起きています。焦って逃げるのではなく、変化に乗る選択をしてみてください。
もっと詳しく知りたい方へ
「具体的にどうすればいいか分からない」「自分のキャリアについて相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
デザイナー・コーダーの方はもちろん、「AIをどう取り入れればいいか分からない」というWeb制作会社の経営者の方も歓迎です。
AIを活用した制作の現場で実際に何が起きているか、私たちの経験をお伝えします。
次回は、代表である私がAIを使って自社サイトを全て作った話をお届けします。