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AWS認定SAAを取得しました
2022年3月にAWS認定SAA(ソリューションアーキテクト・アソシエイト)を取得しましたので、AWS認定SAAと試験学習についてまとめました。
【注意】
AWS認定SAAは2022年8月30日からバージョンC03へアップデートされます。本記事はバージョンC02のものとなりますのでご注意ください。
参考:近日公開のAWS認定
1.1 AWS認定試験とAWS認定SAA
AWS認定試験はAmazon AWSサービスに関連するベンダー資格試験です。クラウド需要の広がりと共に、近年注目されています。
引用:AWS認定
AWS認定SAAはAWSサービスの設計に関する資格試験で、CLF(クラウドプラクティショナー)とSAP(ソリューションアーキテクト・プロフェッショナル)の中間に位置します。AWS認定SAAは、AWSにおいて1年以上の設計に関する実務経験を持つ担当者を対象としています。
参考:AWS Certified Solutions Architect – Associate
1.2 受験料やテスト形式について
受験料や合格点、テスト形式は以下の通りです。
・受験料は2022年3月時点で16,500円(税込)です。
・試験時間は130分です。他に、試験に関する説明(5分)とアンケート(5分)があります。
・試験は1000点満点で合格点は720点。得点は100~1000点です。
・問題数は65問で、正しい回答を1つ選ぶ選択問題と正答を2つ以上選択する複数回答問題で構成されています。
・試験には、統計情報を収集するために採点対象外の問題が含まれる場合があります。
昨年末にLPIC試験の挑戦が一段落したため、クラウド方面の知識も欲しいと思いました。以前独学でGCP (Google Cloud Platform) を触った経験がありましたので「ある程度は対応できるだろう」と考え、CLFをスルーしてSAAの取得にチャレンジしました。
学習開始からおおよそ1ヶ月半で受験しました。詳しくは後述しますが「最初にハンズオン講座から学習を始め、主要なAWSサービスを試した後にWEB問題集等を解く」という流れで学習を進めました。
830点で合格しました。試験時間は130分ありますが、あまり悩むことなく回答することが出来たため、残り時間を50分ほど余らせて試験を終了しました。
試験学習で使用した教材についてご紹介します。AWS試験は人気が高く多数の教材がありますので、どれを選んだらよいのか悩む方も多いと思います。教材選びの参考になれば幸いです。
① Udemyハンズオン講座
② AWS WEB問題集で学習しよう
③ AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト問題集(リックテレコム)
④ 一夜漬け AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト[C02対応]直前対策テキスト(秀和システム)
以下、それぞれ紹介します。
① Udemyハンズオン講座
【世界で40万人が受講】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト SAA-C02 対応 2022 最新版
https://www.udemy.com/course/jp-aws-certified-solutions-architect-associate-2021/
UdemyにはいくつかSAA講座がありますが、以下の3つの理由からこの講座を選びました。
・評価数12万近くで評価点4.7と、非常に高い評価を受けている講座の日本語版であること
・講師(日本語版を制作されておられます)の方が制作されている他のUdemy講座の評価も高いこと
・ハンズオン動画が合計で24時間とボリュームがあること
結果的にはこの講座を選んで正解でした。
この講座は全体としてかなり丁寧に作られていると思います。IAM、EC2、S3等のSAA試験の対象となるAWSサービスについて、講義とハンズオン演習が行われます。動画は時間を取ったつくりになっており、コンソールの操作も途中で飛ばしたりせず、手順をしっかりと見ることができます。
また、ハンズオンの前にはこれから触るAWSサービスが無料か有料か等、実習の際に気になるポイントを随時説明していただけるので、安心してAWSを触ることが出来ました。
講師の方の声がかなり聞き取りやすいため、その点も学習を進める上で嬉しいポイントだと思います。
② AWS WEB問題集で学習しよう
https://aws.koiwaclub.com/
AWS試験学習では有名なEラーニングサイトです。有料会員(3か月5000円~)になることで、各AWS試験の問題集にアクセスすることが出来ます。
有料会員プランはベーシックとプロフェッショナルの2つが用意されています。SAAの様なアソシエイト資格を取る場合はベーシックプランを選ぶとよいでしょう。
このサイトの問題集は本番試験の難易度に近く、問題文や選択肢の文体も本番試験に近いため、試験対策として有用でした。
SAA問題集は1100問以上用意されていますが、私は#100以降の約400問を3周、苦手問題は4周程度しました。
③ AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト問題集(リックテレコム)
https://www.ric.co.jp/book/new-publication/detail/1882
この問題集は「各章の問題を解きつつ、その解説を見ることで学習を進める」というコンセプトで作られています。問題数は各章問題+模試で184問でした。
問題集の本文や選択肢の文体が分かりやすいため、難易度としては本番試験や②のWEB問題集よりもやや簡単です。そのため、まずはこちらの問題集から学習を進める方がよいのではないかと思います。
解説も程よくまとまっており、理解しやすい内容だと思います。
④ 一夜漬け AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト[C02対応]直前対策テキスト(秀和システム)
https://www.shuwasystem.co.jp/book/9784798062969.html
この本はSAA試験対策に重点が置かれており、「問題文に〇〇と書かれているときは□□が問われている」「選択肢に△△があればほぼ間違い」など、具体的な内容になっています。
「一夜漬け」「直前対策」が強調されていますが、AWS各種サービスの説明やクラウド関係用語集など、基本的なところもしっかりとフォローされています。
この本は問題集ではありませんが、知識チェックとして練習問題が40問、問題集として25問が収録されています。問題集は本番試験に近い難易度ではないかと思います。
最初にudemyのハンズオン講座を2週間ほど掛けて学習しました。
ハンズオンは出来るだけ実際に試してみることにしました。ドメイン名の取得などお金が掛かるハンズオンは見るだけにしました。
次に、WEB問題集や紙の問題集を3~4周し、わからない点は参考書やネットで調べました。特に学習の初期では正解率が低くても気にせず、多くの問題に触れることを重視しました。
2周もすると問題に慣れてきますので、それ以降は苦手な分野に集中して学習を進めました。どうしても間違えてしまう問題については、AWSの公式ドキュメントを確認する等して対応しました。
試験直前の問題正答率は90-95%程度でした。この段階でも一部間違えてしまう問題はありましたが、合格するには十分と判断し試験に臨みました。
7-1. AWSサービスの名称や独自の用語に慣れる
AWSのサービスの名称は、EC2、S3、CloudFront、Kinesis等、一見しただけでは内容がよく分からないものが多数あります。また、サービス内の機能についても、AWS独自の用語があります。
SAA試験は多くのAWSサービスが試験範囲に含まれていますので、まずはこれらAWSサービスの名称や用語に慣れることが重要です。
7-2. 問題文から”最も重要な部分”を的確に読み取る
SAA試験では「最適な方法(ベストプラクティス)」を求められる問題が多く、問題に対して”技術的には可能”な選択肢が複数存在する場合があります。このような問題を攻略するためには、問題文から「何が”最も”求められるのか」を読み取る必要があります。
例えば「高可用性が強調されている⇒マルチAZやクロスリージョン」とか「運用の手間を減らしたいと書かれている⇒マネジメントサービスやサーバレス」などですが、このように要求が分かりやすい問題ばかりではなく、要求が分かりにくい形で書かれている場合もあります。
SAA試験の難しいところではありますが、試験学習を進めて「何が最も求められているのか」を的確に読み取れるようにしましょう。
7-3. 試験で問われやすいポイントをしっかりと押さえる
問題集を解いていくと頻出するキーワードがある事に気づいてくると思います。このようなキーワードが出てきた場合は選択肢を絞り込めますので、重要なキーワードはしっかりと押さえましょう。
・「(データ保存に関連して)データはほとんどアクセスされず、アクセスの際はユーザから12時間前には通知される」と書かれている場合、データの引き渡しに12時間の余裕があるので、S3 Glacier Deep Archiveを使える可能性がある。
・「処理に15分以上掛かる」と書かれている場合、AWS Lambdaは15分でタイムアウトするので、Lambdaは選択肢から外れる可能性がある。
・「ELBに静的IPアドレスを設定したい」と書かれている場合、静的IPアドレスを設定できるのはELBの中ではNLBのみ。ELBでよく使われるALBには設定できない。
・「(オンプレミス環境からAWS環境への移行に際して)1週間以内に対応したい」などと書かれている場合、サービス開始まで時間の掛かる方法(AWSへの専用ネットワーク接続を実現するAWS Direct Connect等)は選択肢から外れる可能性がある。
試験は日曜日に受験しました。前日から問題集の総復習を行い、苦手問題を中心に問題を解きなおしました。間違えた問題はポイントを再度学習しました。
テスト形式はLPIC試験と同様で、問題の最後(65問)まで進むと問題全体の一覧ページに移動し、一覧ページから各問題にアクセスできるという形です。チェック(しおり)機能がある点もLPIC試験と同様でした。
出題パターンにもよるとは思いますが、私の場合はまったく見た覚えがないような問題は出題されませんでした。問題文の言い回しも、やや分かりにくいところはあるものの、理解できないような言い回しはありませんでした。
試験が終了すると、合否の前にアンケート画面に移動します。合否はアンケートの回答後にモニタ上に表示されますが、試験後に受付でいただける用紙には合否の記載は無いので注意してください。
試験結果の詳細が確認できるまで最大で5営業日程度掛かると説明されますが、今回はその日の夜にはWEB上で確認することができました。
SAA試験については「”アソシエイト”という名称の割には難しい試験」と感じました。
複数の技術的には可能な選択肢の中から「最適な解決方法」を探す必要がありますので、単純な暗記では正解にたどり着きませんし、AWS特有のサービス名や用語に慣れる必要もあります。
試験範囲も広いため、取得にはある程度時間が掛かる方が多いのではないかと思います。取得される場合は、ある程度余裕をもってスケジュールを組むことをお勧めします。
ただし、ハンズオン講座を学習したり問題集を繰り返し解く等すれば、AWS未経験でも取得できる試験です。業務で取得を求められるケースもあるかと思いますので、取得をお考えの方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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